指導マニュアルたたき台
計画の立て方
山の選び方
自分たちの実力に見合った山
徐々にステップアップ
日の出日の入時刻の考慮
日の出の1時間前から、日の入の1時間前まで
夏と冬で、行動できる時間が違う(夏に雨で中止した計画を冬に延期はできない)
時期の選び方
冬は太平洋側は晴れ、日本海側は雨・雪
夏山では、夕方の雷雨に注意
高山では風が強い(森林限界)
晩秋の高山では常に降雪を考慮
情報収集
SNS(facebook,twitter)、YAMAP、ヤマレコ、雑誌(山と渓谷、岳人)
山と高原地図
装備・服装
靴(初心者はハイカットで足首を保護、靴紐は下りはきつめに締める(指先が前に行かないように))
パッキング(よく使うものを上や天蓋に、天泊装備は下の方、雨具もすぐ出せるように)
防寒着等を着る冬は脱ぎ着しやすいように(脱いだアウターをパッキングできるようザックに余裕を)
綿は汗で濡れると乾かない(冬のジーンズは不可)
インナーは速乾性の素材
夏は帽子などで熱中症対策、日焼け対策(首筋を焼かない)
冬は雪盲対策(サングラス)、目出帽、オーバー手袋で凍傷対策、残雪期は特に日焼け注意
歩き方
歩幅は小さく、膝より上に足を挙げない
猫背やへっぴり腰にならず、足の上に重心が来るよう真っすぐ立つ
歩き出しが速くなりがちなので、気を付けてゆっくり歩く
30-50分で、7-8分休憩(10分以上休むと体が冷える)
パーティの組み方
SLが先頭、CLが最後尾
CLはパーティ全体を見て、具合の悪い人がいないか把握
SLは、ペース配分とコースの把握、後ろを振り返ってパーティー全体を見る
弱い人は、前(SLの後ろ)へ
危険個所では、慣れている人やベテランと、新人や弱い人などを交互に配置
丸木橋、崩落地などでは、全員が安全に通過するまで先頭は、少し先で待機
頭上注意、路肩注意などの注意喚起は、最後尾まで伝言させる
他パーティとのすれ違い
原則は登り優先だが、登りの人数が多い場合は、下りの少人数を優先
安全が確保できない場所では、追い抜き、追い越させをしない。
自分たちが待つ場合は山側へ退避、特に落石に注意
最後尾は、ここが最後です。ありがとうございました。
食事、水
歩き出し前に、水を一口
長い歩きの時は、休憩時に口に出来る行動食が良い(飴などエネルギー補給できるものをポケットに)
昼食の時間を取る場合でも、40-50分を目安に休み過ぎない
テント泊などの時は、容器のゴミ等を減らすように(外箱は持ってこない)
幕営地に水場があるか、小屋から水を買うのか
準備体操、整理体操
安全な広い場所で行う
手、足の末端から徐々に動かす
アキレス腱を伸ばす時は、じわじわと伸ばす
整理体操では、筋肉を伸ばす体操をする
トレッキングポール(ストック)の使い方
グリップのストラップに下から手を通し、グリップを握る
ひじの角度は90度くらい
上りは短め、下りは長め
上半身が、前かがみや、後ろに反らないように
木道などでは、木道を傷めないように先端のゴムキャップを着けるが、滑りやすい濡れた岩場などではキャップは外す
雪山では、スノーバスケットに交換すると雪に潜りにくい
ザックに付けて電車などに乗車する時には、他の人に当たらないように留意
(百均でフローリング保護用に、椅子やテーブルの脚に履かせる小さな靴下が便利)
読地図
地図の種類(登山地図:昭文社、地形図:国土地理院、電子地図:yamap、geographica等の地図アプリ)
磁北(西に6-8度)と真北、磁北線を引く
2万5千図:4cm=1km
等高線の間隔の狭い(急)、広い(緩)
左右に道が曲がっている地点を把握
標高差(300m登り約1時間)、ピーク、鞍部(峠)、道の分岐、尾根の分岐(下りは特に注意)
岩場、ガレ場、雨裂などの危険個所、森林限界(這松や荒れ地の地図記号)
送電鉄塔、林道などの切り欠き部
小屋、水場、危険マーク(登山地図)
読地図は、道に迷う前に行う
道を見失うのと、道に迷うのとは、違う。
コンパスの使い方
進行方向にコンパスを合わせる
山座同定
アイゼンの着け方
危険な個所に出る前に装着(安全な場所で着脱)
薄手の手袋をして、素手で触らない
利き足と反対側から装着
バックルで締めるタイプは、緩んでいないか確認
アイゼンの爪が雪面に着くよう、足首などを曲げる
トラバース時は、山側の足は進行方向、谷川の足は少し開き気味に
ザイルワーク
8、ダブル8、クローブヒッチ、ダブルフィッシャーマン、プルージックは必須
末端処理の仕方
ダブル8は、シングル8を作って逆にたどる方法と、輪にした末端を8に結ぶ方法の両方
クローブヒッチも2つの輪の上下を入れ替える方法と、1周回したクロスの下に2周目のロープをくぐらせる方法の両方
ダブルフィッシャーマンは、結び目が、4本平行になり、裏側は、×が2つ出来るよう、結び目を見てチェック
テント、ツェルトの張り方
幕営地選び(平坦、雨水が流れてこない場所、落雷の無い場所(樹の枝から離れる)、風下に入口)
張り綱を張って飛ばされないように(ペグだけでなく石で固定、積雪期は竹ペグ)
入口を閉めて張る(入口が開いていると風が入って飛ばされる)
トラブル対処
事故、怪我、滑落、行方不明等の遭難での連絡(119、110)
ファーストエイドの対応
危険動物対策(熊:熊鈴、蜂:エピペン、ヒル:塩)
雨宿りで高い樹の下にうかつに入らない(落雷、枝からの放電に注意)
雪崩、大雪、ゲリラ豪雨(鉄砲水)、噴火(有毒ガス)等に注意
会のメンバーから山行計画の相談を受けたら
メンバーの実力に合っているか(過去の遭難事例、雪崩などをCLへアドバイス)
1日の行動時間、全行程の日数など、計画に余裕はあるか
装備と、食料計画は、山行計画に合っているか、予備日1日なら予備食も1日分
2-3人のパーティの場合、何かトラブルが遭った時の対応が考えられているか
(営業小屋へ連絡に走る、携帯やトランシーバーで連絡する)
海外登山
国内での練習登山は十分か(高度順応、雪山、クライミング)
海外登山対応の保険
連絡手段(スマホ(国際ローミング、現地SIM)、メール、時差考慮)
ガイドを付けているかどうか
緊急時の国内対応の体制